「D to P with N」の概要と必要性
近年、診療の現場において、オンライン化が急速に進んでいます。今後オンライン診療の需要は更に拡大し、医者のいない離島など、どこでも場所を選ばずに診療を受けられる機会が増えることが予測されています。それに伴い、「D to P with N」の整備がより重要な課題となってきています。
なお、「D to P with N」とは、D=Doctor(医師)、P=Patient(患者)、N=Nurse(看護師)の略称のことです。これは訪問看護師が患者の側にいながら、医師によるオンライン診療を受け、医師の指示のもとで訪問看護師が治療の補助行為を行う治療の在り方を指しています。
「D to P with N」で訪問看護師がケアを行う場合、医師が作成した診療計画に沿った形で行うことが望ましいとされています。また、オンライン診察中に患者に新たな症状がみられた場合、医師が直接指示を出し、必要な検査を訪問看護師が追加で行うことができるようになっています。
いずれの場合も、「D to P with N」を行う医師と訪問看護師との間で、しっかりと情報連携をしておく体制が不可欠となります。
この「D to P with N」のさらなる利便性向上に向け、都道府県の各自治体において実証実験を始めているところもあります。その一例として、医療機器を備えた自動車が巡回し、デイサービスや地域の公民館、患者の自宅外でもオンライン診療を実施するというものがあります。こうした取り組みは、高齢化・地方過疎化が進む現代の医療問題を解決する、大きな一歩になると期待されています。